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ツユクサ 〔露草〕
  写真「ツユクサ〔露草〕の花」
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 ツユクサ〔露草〕とは
 ツユクサ〔露草〕は、日本全国の野原・公園・道端などに自生している一年草で、 日本人なら誰でも知っているほどの馴染み深い草花である。
古くから親しまれてきており、薬用や食用、染剤として利用されてきている他に、歌にもよく詠まれていて秋の季語とされている。
儚(ハカ)ない花の命を歌に詠んだものも多い。
季語には、古くから伝わる別名が多い。 → 露草、月草、蛍草など。
花の特徴
 ツユクサ〔露草〕の花は、きれいな青紫色をしていて蝶の形をした花型が特徴といえる。
早朝に開花して午後には萎(シボ)んでしまうという短い命の花でもある。 しかし繁殖力が強く、次々に花芽をつけて咲いていくので、花期は長く秋まで咲き続ける。
 花の大きさは、約4~5mmで、苞葉に包まれた短い花序に花が数個つくが、1個ずつ咲くので一輪咲きに見える。
 花びらの内、上の2枚は青紫色で目立つが、もう1枚下にもある。
 → 透明に近い色で、小さく隠れるように存在する。
雄しべ
雄しべは6本あるが、花粉があるのは3本だけで、他は変形して生殖機能をもたない。
それぞれ役割があると考えられている。
本物の2本の雄しべは、長く飛び出ているが形は地味で、下に雌しべがある。
花の奥にあるX字の形をした派手な3つは、虫を魅了して引き寄せるオトリの偽雄しべである。
3つのオトリ雄しべの前に、逆Y字形をしたオシベが1本ある。
オトリに引き寄せられた虫に確実に花粉をつける役割がある。
自家受粉する
花が閉じる時には、くるくると内側に巻いて仕舞われていく。
花の開閉により、雄しべと雌しべがくっつき、自家受粉する事が出来る。
開花時期
【6月 ~ 9月】
 若葉も花茎も果実時期も同じ。
草の特徴
春に芽を出し、草丈は40~60cmほどに成長する。 地面を這って茎が枝別れしていくが、成長するにつれ立ち上がって花を咲かせる。
葉の長さは約5~7cmほどで、互生する。
茎には節があり、そこから根が出て増殖する。
繁殖力は旺盛で、よく群生しているのを見かける。
特に湿地のようなる場所で群生しやすい。
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 ツユクサ〔露草〕の 利用
ツユクサ〔露草〕は、古くから薬用や食用、染剤として利用されてきている。
薬 用
草を天日乾燥して利用する。
→ 解熱、解毒、風邪、利尿などに用いられる。
生薬(ショウヤク)としては「鴨跖草」(オウセキソウ)という名がある。
食 用
花や茎葉をそのまま軽く茹でて、サラダ、和え物などにする。
その他、酢の物、てんぷら、炒め物などもよい。
アクが少なくて、おいしいとされる。
染 材
花の青い色素はアントシアニン系の化合物で、着いても容易にとれる性質がある。この性質を利用して、花の汁を染め物の下絵を描くための絵の具として用いた。
水洗いをすると流れて消える性質がある。
ツユクサの花は小さいため、実際には栽培変種である大型のオオボウシバナが用いられてきた。
万葉の時代から、うつろいやすいツユクサ染めの特徴を、男女の恋愛などに例えて詠う歌が多くよまれてきている。 うつろいやすいのが欠点であった為、藍染(アイゾメ)などの技法が伝わると、すたれてしまった。 しかし、その後に欠点を利用して下絵を描くのに利用されるようになる。 現在でも水にさらすと消えてしまう性質を利用して、京友禅などの下絵を描くのに使用されているとのこと。
ツユクサ染め様の青花紙の作り方
ツユクサ染め様の花摘みは、花が全開する朝7時頃に行う。 それ以降になると、花びらと雄しべが接触してしまうので、良質の花汁が取れなくなる為。
摘んだ花の芯を落として花びらだけにする。
花びらに重しをかけてしぼり、アオバナ汁をとる。
アオバナ汁に、ごく薄い4枚重ねの和紙を浸して乾燥させる。
→ これを何十回も繰り返す。
紺色の青花紙が完成する。
使用方法は、青花紙を必要な量だけハサミで切り取り、水に溶かして使う。
 
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