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ウメ 〔梅〕
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 ウメ〔梅〕の品種・分類
 ウメは古い時代から愛される花木であるため、品種改良も含め多くの品種がある。
 そのためウメの分類は複雑であるが、花を観賞する「花ウメ」と果実を収穫するための「実ウメ」とは分けて考えられている。
 また花を観賞するウメも品種名ではなく花色や形などの分類分けにより呼び分けることが多い。
ウメの花を愛でる人も多いが、ウメの果実は梅干や梅酒、梅酢などに利用されている。
花も美しく、実も良く、香りも良いという完璧に近い「花香実」(ハナカミ)という品種なども作られ、「花ウメ」と「実ウメ」の分類分けが難しいものもある。
 ウメ〔梅〕の園芸的な分類
 ウメの園芸的な分類では、花を観賞する「花ウメ」と果実を収穫するための「実ウメ」とに分けられている。
また「花ウメ」は花形や色や樹形などバラエティに富んでいるため、さらに4系統に分類される。
ハナウメ 〔花梅〕
野梅系 (やばい)
野生種に近く、いわゆる普通のウメ。
性質は強く、葉は小さくて枝が細く密生する。
花色や形は様々で、野梅系の中でも、4つに細分される。
野梅性 (やばい しょう)
枝が細く、葉も小型。
花は中輪で白色が多く、香りがよい。
新しい枝には赤みがある。
難波性 (なんぱ しょう)
枝が細く、葉も小型で丸い。
花は白色が多いが薄紅色もあり、香りがよい。
新しい枝には赤みがある。
紅筆性 (べにふで しょう)
枝が細く、葉も小型。
ツボミの先端が紅色で、花には紅色のぼかしが入る。
新しい枝には赤みがある。
青軸性 (あおじく しょう)
枝がやや太いが、葉は小型。
ツボミは緑がかった白色で、開花すると白色になる。
新しい枝は緑色のまま。
紅梅系 (こうばい)
野生種のウメから変化したもので、中輪で紅色の花を咲かせる。
枝は細く、新芽は紅色をしている。
紅色の花を咲かせるというのではなく、幹や枝の肉質部分が赤いものをいう。 (紅梅系でも白花を咲かせるものもある。)
紅梅系の中でも、さらに紅梅性(コウバイショウ)、唐梅性(トウバイショウ)、緋梅性(ヒバイショウ)に細分される。
豊後系 (ぶんご)
野梅とアンズとの自然雑種とされる。
枝は太く、葉は大型。 丸い葉で毛のあるものが多い。
薄ピンク色の大輪の花が咲く。
秋には新しい枝が紫がかった紅色になる。
耐寒性が強く、寒冷地に適している。
杏 系 (あんず)
アンズとの交配座主で、アンズに近い性質を持つ。
枝ぶりは豊後系に似ているが、それよりもやや細かい。
葉は大形で、秋に紅色に紅葉する。
花は中輪が多く、薄ピンク色や白色の花を咲かせる。
秋には新しい枝が暗い紅色になる。
その他のウメの系統
枝に斑(フ)や筋が入るものや、枝垂れ(シダレ)るものなどがある。
錦性 (ニシキショウ) → 枝に斑が入る。
筋入り性 (スジイリショウ) → 枝に筋が入る。
葉がわり性 (ハガワリショウ) → 葉が変化する。
枝垂れ性 (シダレショウ) → 枝が枝垂れる。
雲竜性 (ウンリュウショウ) → 枝が揺れる。
実成性 (ミナリショウ) → 結実がよい。
果実としてウメの栽培が盛んになったのは戦国時代から江戸時代にかけて。
梅干をはじめ、梅汁や梅酢などが利用され、諸藩で梅の育成が奨励されていた。
梅の名所として有名な水戸の「偕楽園」も、幕末の水戸藩主である徳川斉昭が財政を助けるために作ったとされる。
(花を観賞するためではなかった。)
ミウメ 〔実梅〕
果実を目的とするミウメの品種は約100種類ほどあるが、特に南高(なんこう)という品種は梅干に最適として有名とされ、ブランド化している。
栽培しやすいといわれるミウメの品種
白加賀(シラカガ)、玉梅(タマウメ)、養老(ヨウロウ)、長束(ナツカ)、甲州最小(コウシュウサイショウ)、花香実(ハナカミ)、玉英(ギョクエイ)、鶯宿(オウシュク)、豊後(ブンゴ)、南高(ナンコウ)。
梅干の作り方
写真「ウメ〔梅〕の花」 写真「ウメ〔梅〕の花」
白 梅 紅 梅
 ウメ〔梅〕の花のバリエーション
 ウメにはあまりにも多くの品種があるため、花色や花型でざっくり区別することもある。
 一番よく見られるウメ〔梅〕の花は、一重で丸い5枚の花弁をもつ白い花であるが、紅色の花や八重花もある。
微妙に異なる多くの園芸品種があるので、正確な分類分けは難しい。
花色
ウメの花色は白色と紅色がよく知られている。
しかし微妙に色が異なり、また色が変化していくものもある。
一般的によく知られている白色と紅色のウメを分け、「白梅」と「紅梅」と呼び分けることもある。
紅色
濃い紅色、薄い紅色、明るい紅色、暗い紅色、など様々ある。
ピンク色
ピンク色の中でも濃淡のバリエーションがある。
白色
真っ白い白色、青白い色、乳白色、黄色を帯びた白色などバリエーションがある。
移り色
「蕾~咲き始め~咲き終わり」と、花色が変化していく。
 白色~ピンク色、ピンク色~白色、など様々ある。
絞り
花びらに絞り模様が入ったもの。
半染めや、吹きかけ模様、などバリエーションがある。
その他
花びらの周囲が濃い色、またはその反対、花びらの裏と表で色が異なるものなど。
花びらが薄い黄色いものもある。
花の大きさ
花の大きさは同じ品種でも樹齢、健康状態、環境などにより変化するが、目安として一般的な区分けがされている。
極大輪
花の大きさが、4センチ以上。
大輪
花の大きさが、3センチ~4センチ。
中大輪
花の大きさが、2.5センチ~3センチ。
中輪
花の大きさが、2センチ~2.5センチ。
小輪
花の大きさが、1.5センチ~2センチ。
極小輪
花の大きさが、1.5センチ以下。
花びらのバリエーション
一番よく見られるウメ〔梅〕の花は、一重で丸い5枚の花びらをもつ白い花であるが、微妙に異なるものも含めるとウメの花びらには多くのバリエーションがある。
丸い花びらをもつ「丸弁」
花びらの付け根が丸くて、少し重なっているもの。
一般的なウメの花のタイプ。
花びらの付け根が細くて、重なっていないもの。
離れ具合にも様々あり、花びらの付け根がはっきりと離れているのが美しいとされる。
花びらの先端がとがっている。
キキョウの花びらに似ている。
花びらの中央がスプーンの様にへこんでいる。
「抱え咲き」ともいう。
花びらが反り返っている。
「抱え咲き」ともいう。
花びらが6枚ある。
一般的なウメは、5枚の花びらをもつ。
花びらが細い。
花びらが極小で、オシベとメシベが長い。
花びらがほぼ完全に退化したものもある。
オシベの先端が小さな花びらに変化している。
花の中央に小さな花があるように見える。
花びらが縮れてシワがある。
メシベが2本以上ある。
植物学的分類では「座論梅」という。
通常、1つの花には1つのメシベがある。
 ウメ〔梅〕の植物学的な分類
 ウメはバラ科サクラ属の落葉低木であるが、さらに細かく分類されている。
豊後梅 (ぶんごううめ)
野梅とアンズとの自然雑種といわれ、薄ピンク色の大輪の花が咲く。
枝は太くて、葉も大型。
丸い葉が多く、面に毛のあるものが多い。
耐寒性が強く、寒冷地に適している。
花梅の園芸分類と同じ品種。
小 梅 (こうめ)
葉や花、果実が小さい。
酈懸梅 (てっけんばい)
花びらがガクよりも小さく、見えにくい花を咲かせる。
一見すると、花びらがない花の様に見える。
「しべ咲き」ともいわれる。
座論梅 (ざろんばい)
「八房」(やつぶさ)ともいう。
1つの花の中に子房が数個あり、数個とも結実する。
通常は1本しかないメシベが2本以上ある。
緑萼梅 (りょくがくばい)
「青軸」(あおじく)ともいう。
萼(がく)も新しい枝も緑色を帯びている。
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