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ウメの園芸的な分類では、花を観賞する「花ウメ」と果実を収穫するための「実ウメ」とに分けられている。
また「花ウメ」は花形や色や樹形などバラエティに富んでいるため、さらに4系統に分類される。 |
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ハナウメ 〔花梅〕 |
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野梅系 (やばい) |
野生種に近く、いわゆる普通のウメ。
性質は強く、葉は小さくて枝が細く密生する。
花色や形は様々で、野梅系の中でも、4つに細分される。 |
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野梅性 (やばい しょう) |
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枝が細く、葉も小型。
花は中輪で白色が多く、香りがよい。
新しい枝には赤みがある。 |
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難波性 (なんぱ しょう) |
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枝が細く、葉も小型で丸い。
花は白色が多いが薄紅色もあり、香りがよい。
新しい枝には赤みがある。 |
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紅筆性 (べにふで しょう) |
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枝が細く、葉も小型。
ツボミの先端が紅色で、花には紅色のぼかしが入る。
新しい枝には赤みがある。 |
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青軸性 (あおじく しょう) |
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枝がやや太いが、葉は小型。
ツボミは緑がかった白色で、開花すると白色になる。
新しい枝は緑色のまま。 |
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紅梅系 (こうばい) |
野生種のウメから変化したもので、中輪で紅色の花を咲かせる。
枝は細く、新芽は紅色をしている。 |
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紅色の花を咲かせるというのではなく、幹や枝の肉質部分が赤いものをいう。 (紅梅系でも白花を咲かせるものもある。) |
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紅梅系の中でも、さらに紅梅性(コウバイショウ)、唐梅性(トウバイショウ)、緋梅性(ヒバイショウ)に細分される。 |
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豊後系 (ぶんご) |
野梅とアンズとの自然雑種とされる。
枝は太く、葉は大型。 丸い葉で毛のあるものが多い。
薄ピンク色の大輪の花が咲く。
秋には新しい枝が紫がかった紅色になる。 |
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杏 系 (あんず) |
アンズとの交配座主で、アンズに近い性質を持つ。
枝ぶりは豊後系に似ているが、それよりもやや細かい。 葉は大形で、秋に紅色に紅葉する。
花は中輪が多く、薄ピンク色や白色の花を咲かせる。
秋には新しい枝が暗い紅色になる。 |
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その他のウメの系統 |
枝に斑(フ)や筋が入るものや、枝垂れ(シダレ)るものなどがある。 |
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錦性 |
(ニシキショウ) |
→ 枝に斑が入る。 |
◇ |
筋入り性 |
(スジイリショウ) |
→ 枝に筋が入る。 |
◇ |
葉がわり性 |
(ハガワリショウ) |
→ 葉が変化する。 |
◇ |
枝垂れ性 |
(シダレショウ) |
→ 枝が枝垂れる。 |
◇ |
雲竜性 |
(ウンリュウショウ) |
→ 枝が揺れる。 |
◇ |
実成性 |
(ミナリショウ) |
→ 結実がよい。 |
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果実としてウメの栽培が盛んになったのは戦国時代から江戸時代にかけて。
梅干をはじめ、梅汁や梅酢などが利用され、諸藩で梅の育成が奨励されていた。 |
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梅の名所として有名な水戸の「偕楽園」も、幕末の水戸藩主である徳川斉昭が財政を助けるために作ったとされる。
(花を観賞するためではなかった。) |
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ミウメ 〔実梅〕 |
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果実を目的とするミウメの品種は約100種類ほどあるが、特に南高(なんこう)という品種は梅干に最適として有名とされ、ブランド化している。 |
栽培しやすいといわれるミウメの品種 |
白加賀(シラカガ)、玉梅(タマウメ)、養老(ヨウロウ)、長束(ナツカ)、甲州最小(コウシュウサイショウ)、花香実(ハナカミ)、玉英(ギョクエイ)、鶯宿(オウシュク)、豊後(ブンゴ)、南高(ナンコウ)。 |
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⇒梅干の作り方 |
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